本拠地、岡崎LOOPで迎えたドランリアニ戦
先発《流城の貴族/Stromkirk Noble》が大量失点、クロックも勢いを見せず惨敗だった
デュエルスペースに響くギャラリーのため息、どこからか聞こえる「今日のFNMは0-3だな」の声
無言で帰り始めるクリーチャー達の中、一昨年の首位打者《吸血鬼の夜侯/Vampire Nocturnus》は独りスリーブで泣いていた
ALA-ZEN時代で手にした栄冠、喜び、感動、そして何より信頼できる下僕・・・
それを今のスタン環境で得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「どうすりゃいいんだ・・・」夜侯は悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、夜侯ははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たいスリーブの感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、帰ってデッキ内の黒カードの割合の調整をしなくちゃな」夜侯は苦笑しながら呟いた
立ち上がって伸びをした時、夜侯はふと気付いた

「あれ・・・?ギャラリーがいる・・・?」
スリーブから飛び出した夜侯が目にしたのは、店内を埋めつくさんばかりの観客だった
ギャラリー全員に注目され、地鳴りのような声援が響いていた
どういうことか分からずに呆然とする夜侯の背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「夜侯さん、コンバットフェーズです、早く殴りに行きましょう」声の方に振り返った夜侯は目を疑った
「き・・・恐血鬼?」 「なんだ夜侯、居眠りでもしてたのか?」
「ふ・・・フェッチランドコーチ?」 「なんだ夜侯、かってにフェッチランドさんを引退させやがって」
「血魔女さん・・・」 夜侯は半分パニックになりながらデッキの中身を見た
1番:《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator》
2番:《恐血鬼/Bloodghast》
3番:《マラキールの門番/Gatekeeper of Malakir》
4番:《吸血鬼の夜侯/Vampire Nocturnus》
5番:《マラキールの血魔女/Malakir Bloodwitch》
6番:《吸血鬼の夜鷲/Vampire Nighthawk》
7番:《カラストリアの貴人/Kalastria Highborn》
8番:《臓物の予見者/Viscera Seer》
9番: フェッチランド
暫時、唖然としていた夜侯だったが、全てを理解した時、もはや彼の心には太陽ひとつ無かった
「勝てる・・・勝てるんだ!」
臓物の予見者でライブラリトップを操作し、夜の闇へ全力疾走する夜侯、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・

翌日、ストレージボックスで冷たくなっている夜侯が発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った

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